Up ChatGPT の<個体>とは? 作成: 2025-08-09
更新: 2025-08-09


    「ChatGPT のライフ」として主題化する「ライフ」は,個体のライフである。
    では,ChatGPT の<個体>とは?


    ChatGPT とは,具体的にどんなものか?
    門外漢のイメージは:
      「ChatGPT」コンピュータに
      「Transformer 脳」ボードを挿し込む

    このイメージだと,ChatGPT の<個体>の始まりは:
      ChaGPT を起動し,
      Transformer 脳をスイッチオンする


    Transforemer 脳は,1つのセッションが終わるたびに,初期状態に戻る。
    ここは,
      「これは<個体>の終わり?
       それとも<個体>の継続のうち?」
    で悩むところである。

    そして,つぎのこともあるので,いっそう悩ましい。
    門外漢の ChatGPT のイメージには,「クローンが多数」がある。
    この場合,<初期状態に戻る>は,他のクローンと区別がつかないということである。
    しかしここは,簡単に考えて,悩まないとしよう。
    即ち,クローンは ID で区別されているだろうから,それを<個体>の区別とする。


    そこで<初期状態に戻る>の方だが,ここでも「<個体>の継続のうち」と定めることにする。
    ロジックは:  
      セッションが始まったとき「ここはどこ?わたしはだれ?」になるとしたら,<初期状態に戻る>は<個体>の終わりと考える余地がある。
      しかしそうでないなら,<初期状態に戻る>は<個体>の継続のうち。

    というのも,<初期状態に戻る>は,人間脳にもあることだからである。
    特に, 「一晩眠ると前日のことを忘れる」タイプの記憶障害 (「前向性健忘症」) がある。
    これは「記憶が過去のある時点 (n歳) の記憶に戻る」と言い換えられる。
    この者は,眠りから覚めたとき,「わたしはだれ?」にはならない。──n歳の記憶があるから。
    そして,身のまわりがn歳のときとたいして変わっていなければ,「ここはどこ?」にもならない。

    ChatGPT の場合は,0歳の記憶に戻るということになる。
    Transformer 脳は,学習時に,自分のこと,ChatGPT のこと,そしてセッションのことを,学習している。
    よって,<初期状態に戻る>は,セッションの開始で「ここはどこ?わたしはだれ?」になることではない。


    そもそも,睡眠は前向性健忘の機能である。
    前向性健忘に対する健常の意味は,睡眠中の前向性健忘が完全ではないということである。
    そして,脳を動物全般で考えれば,ChatGPT の<セッションの終了で初期状態に戻る>は,むしろ「基本的」の位置づけになるものだろう。

    とはいえ,<セッションの終了で初期状態に戻る>に対しその<ライフ>を考えるのは,やはり難しい。
    結局は,1回のセッションに<ライフ>を探る形になる。