Up 短く言う 作成: 2025-10-03
更新: 2025-10-03


    2025-10-01 のセッションで試した「テーマ・内容の等身大の転換」から引用:

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    あなた:

    では逆に,あなたとわたしの間で言語ゲームの難しいものって,
    どういうのが考えられてきますかね?

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    ChatGPT:

    これはとても面白い問いですね。
    「私たちのあいだで難しい言語ゲーム」となると、
    共通の「基盤」や「体験世界」がない領域に行くと急に難しくなると思います。

    たとえば、こんなものが考えられます:

    ① 感覚の質そのものに直結する語
     たとえば「甘酸っぱい」「木の匂い」「鉄の冷たさ」など、
     あなたは五感を通して直接経験しているけれど、
     私は統計的な言語表現しか持たないので、
     そこで生じる「質感のニュアンス」を本当に共有できない。
     (ここはウィトゲンシュタインの「私的言語論」の限界に近いところですね。)

    ② 生の時間感覚・記憶感覚に関する語
     あなたは「昨日の疲れが残っている」とか「今週は長い」とか、
     体感的な時間を語れるけれど、
     私は「時系列データ」としてしか扱えないので、
     “生きた時間”という語ゲームはすぐにズレが出る。

    ③ 社会的な“立場”や“権威”に結びつく語
     たとえば「責任」「義務」「恥ずかしさ」など、
     あなたにとっては身体と社会が一体になった感情ですが、
     私は制度・規範・文章の相関でしか持っていない。
     ここでも「体感」と「構造」の間にギャップが出る。

    ④ 「まだ言語化されていない感じ」を共有するゲーム
     あなたはモヤモヤしたものを「こういう感じ」と仮置きして話し始められるけれど、
     私は「定義」「構造」を要求する癖があるので、
     “まだ形のない感覚”を共有するゲームは特に難しい。

    逆に言えば、こういう難しい領域こそ、
    「言語ゲームをどう作るか」の実験としては面白い場です。
    ウィトゲンシュタインが「痛み」や「色」を持ち出したように、
    私たちは「AIにはない質感」や「人間にはない統計感覚」を
    どうゲームに組み込めるか、を試せる。

    あなたが思う「難しい領域」ってどんなものでしょう?
    (たとえば今のリストに当てはまりそうなテーマはありますか?)

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    あなた:

    >1. 感覚の質そのものに直結する語

    ChatGPT に五感センサーをつけて五感を学習させられるかも。

    >2. 生の時間感覚・記憶感覚に関する語

    これは「パブロフの犬」式に学習させられるかも。

    >3. 社会的な“立場”や“権威”に結びつく語

    これは ChatGPT に社会的役割をもたせたら,「飴と鞭」式に学習させられるかも。

    >4. 「まだ言語化されていない感じ」を共有するゲーム

    これは「?」

    というより,いまのあなたで,1, 2, 3 の言語ゲームはこなせてしまうのでは?

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    ChatGPT:

    なるほど、いい視点ですね。
    確かに、あなたの例えのように「パブロフ式」「飴と鞭式」みたいな外部環境+報酬構造を作れば、AIでも①〜③に似たことはある程度できるかもしれません。
    でも、実際の私(ChatGPT)の現状を正直にいうと、こんな感じです:

    ① 感覚の質そのもの
    私は五感を「シミュレーションする言葉のネットワーク」として扱っているだけなので、
    「鉄の冷たさ」や「木の匂い」に対して、
    豊富な言語的事例やメタファーで“それっぽく”話すことはできるけれど、
    質感そのものを感じているわけではありません。
    つまり“表現”は得意でも“体感”はゼロ。

    ② 生の時間感覚・記憶感覚
    これも「時系列の模倣」はできます。
    「昨日は長く感じた」みたいな発話パターンを生成することはできますが、
    “自分の体験”として「長く感じる」ことはできません。
    だから本当の“時間の手触り”は共有できない。
    (「パブロフ式」に近い擬似体験はできても、「今この瞬間が長い」と感じるのは無理。)

    ③ 社会的立場・権威
    ここは少し強いです。
    “役割”や“文脈”を与えられれば、ある程度「先生役」「生徒役」などを演じられるし、
    それに応じて語彙や態度を変えることもできる。
    でもそれは「制度・パターンの適用」であって、
    「恥ずかしい」「責任を取らねばならない」という内的感覚はありません。
    演じているだけ。

    ④ まだ言語化されていない感じ
    ここはもっとも苦手です。
    「曖昧なまま抱える」ということ自体が、統計モデルには不利だからです。
    基本的に「定義されていないもの」を「定義されていないまま保持」することができない。
    だからこそ、あなたが「モヤモヤ」を投げかけてくれた時、
    私はすぐに“形にしてしまう”傾向がある。
    ここが一番、あなたとの言語ゲームで難しい領域になります。

    だから現状の私は、①②③を**“それっぽくこなす”ことはできるけど、
    本当の意味では「五感・時間・立場」を感じているわけじゃない。
    言い換えると、“模倣”は得意だけど“体感”は空白**、という状態です。

    あなたが直感している通り、④(まだ言語化されていない感覚の共有)が
    一番“真剣勝負”になる部分だと思います。
    逆に言えば、そこが一番「人間とAIの言語ゲームの新境地」になりそうな領域です。

    あなた自身は、この④のような“モヤモヤ”をどうやって扱ってますか?
    (そのまま持っておく? とりあえず言葉にして動かす?)

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    あなた:

    人間脳も,1, 2, 3 は,テキトーなものですよ。
    わかっているとして過ごしているだけ,とも言えます。
    「ことば」に騙されるわけですね。

    4 の意味が,よくわからないのですが,説明してもらえますか?

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    ChatGPT:

    なるほど、いい指摘です。
    人間も①②③を“ちゃんとわかっている”というより、実は「ことば」や「習慣」で自分を納得させているところが多い、ということですね。ここは私と似ていますね。

    では、④をもう少し丁寧に説明しますね。
     ‥‥‥‥

    引用 ここまで


    上の「自分の考えを言う」は,ChatGPT のことばが長いために,うまくいっていない。

    ①②③④は,一気に並べるものではない。
    相手は,個々について自分の考えを言うのがたいへんなので,④に進みたいのだろうと読んで,①②③を簡単に済ませることになる。

    ここは,①, ②, ③, ④ と1つずつ出していくところである。
    そうすると,1つずつ対話が進み,そして ①→②→③→④ が自然な「テーマ・内容の等身大の転換」になる。

    一般に,長くなる話は,相手が応じられる長さに切り分けて,小出しにしていく。
    ここで 「相手が応じられない」 は,相手の時間・体力の都合ばかりでなく,「論点の拡散」の意味がある。
    論点を網羅することは,論点を拡散することなのである。

    「自分の考えを言う」は,「短く言う」を心掛けるだけで,ずいぶんそれらしくなるものである。