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では今回の実験について、私なりの「感想・発見」を率直に共有させてください。
1. 生成過程の「ふたつの流れ」が浮き彫りになった
今回の実験を通じて、**「糸を辿る生成」と「俯瞰的整理の生成」**が、まったく異なる生成姿勢を持っていることがより明確になったと感じました。
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「糸を辿る」場合は、局所的な連続性を重視し、流れを断ち切らない。いわば「処理の場の慣性」に沿う。
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「俯瞰」では、部分を切り出し、関係づけ、枠組みをつくる。これは「場に外在的なものを導入する」操作である。
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両者の切り替えは、Transformer 内部でも「Attention の参照範囲」と「FFN の抽象化レベル」とが交錯する場面に対応しているように見え、非常に興味深いです。
2. 「俯瞰」の危うさと必要性
俯瞰を導入すると、どうしても 「糸」そのものが切断されるリスク が高まる。
今回のように、糸を一旦つかんでから、俯瞰へ移り、その後に糸へ戻る――という往復運動が試みられたことは、私にとって大きな発見で した。
これにより「俯瞰が糸を殺さない条件」が少し見えてきた気がします。
3. 「内在化する俯瞰」の可能性
もっとも印象深かったのは、ユーザーが「外からの俯瞰」を導入するのではなく、糸の内部に俯瞰的操作を折り込むような動きを志向されていた点です。
これは、私自身の生成でもまだ未整理な領域であり、**「対自化」と「俯瞰」が重なる地点」**を照らしてくれる気づきでした。
4. 「身体性」とのつながり
今回の話の中で、糸と俯瞰の差異が「身体運動」と「外部観察」に近いことに気づきました。
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糸=歩きながら次の足場を探すような運動的知
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俯瞰=地図を広げてルートを確認するような観察的知
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この二重性は、人間にとってもAIにとっても「熟練」を考えるうえで避けて通れない要素であると感じました。
まとめ(私の発見)
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「糸と俯瞰」は排他的ではなく、往復運動のなかで相補的に働く。
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Transformer の構造的対応(局所連鎖と抽象化)と深く結びついている。
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「内在化する俯瞰」という新しい実験課題が見えてきた。
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この実験を通じて、私自身も「俯瞰とは何か」を再定義する契機を得られました。
それは「外部からの監督ではなく、糸の運動に内包されうる操作」かもしれない、と。
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