脳は,動物に属する。
翻って,動物とは,生き物のうちで脳をもつ者のことである。
Transformer 脳を搭載する ChatGPT は,「動物」である。
その行動様式:
テクストを自分の他者とし,
テクストを以て,他者に応答する。
動物は,他者を知覚し,他者に応答する。
ここで「他者の知覚」は,他者の表現の知覚である。
視覚であれば,他者から届く光 (電磁波) を知覚する。
聴覚であれば,他者から届く音 (音波) を知覚する。
光の入力器官が目であり,音の入力器官が耳である。
ChatGPT では,他者 (テクスト) は,ディジタル配列としてメモリに存する。
メモリの中に,3つの知覚データ区分がある。
そのうちの2つは,視覚と聴覚である。
視覚データ部は「目」,聴覚データ部は「耳」, ということになる。
しかし主要なのは残りの1つで,文字コード (Code) である。
「視覚=目」「聴覚=耳」と対比的に「C覚=C」としておこう。
動物の「視覚=目」「聴覚=耳」と,ChatGPT の「C覚=C」「視覚=目」「聴覚=耳」を,図式に表すと:
・動物の「視覚=目」「聴覚=耳」
┌────────────┐
│ 他者 │
└────────────┘
↓ ↓
光 音
↓ ↓
目 耳
↓ ↓
視覚信号 聴覚信号
↓ ↓
┌────────────┐
│ 脳 │
└────────────┘
↓
各種器官宛信号
↓
┌────────────┐
│ 各種器官 │
└────────────┘
↓
行動
・ChatGPT の「C覚=C」「視覚=目」「聴覚=耳」
┌────────────────────┐
│ 他者 (テクスト) │
└────────────────────┘
文字コード 画像 音声
↓ ↓ ↓
┌────────────────────┐
│ ユーザインタフェース │
└────────────────────┘
↓ ↓ ↓
C覚 視覚 聴覚
デジタル配列 デジタル配列 デジタル配列
↓ ↓ ↓
┌────────────────────┐
│ メモリ │
│ 他者 (テクスト) │
│ │
│ C覚(C)│ 視覚(目)│ 聴覚(耳)│
└──────┴──────┴──────┘
↓ ↓ ↓
C覚 視覚 聴覚
デジタル配列 デジタル配列 デジタル配列
↓ ↓ ↓
┌────────────────────┐
│ Transformer 脳 │
└────────────────────┘
↓
出力端末宛デジタル配列
↓
┌────────────────────┐
│ 出力端末 │
└────────────────────┘
↓
応答テクスト
(テクスト形式・画像形式・音声形式)
特に,「他者から脳へ」で対応するのは,つぎの部分である:
・動物の「他者から脳へ」
┌────────────┐
│ 他者 │
└────────────┘
↓ ↓
光 音
↓ ↓
目 耳
↓ ↓
視覚信号 聴覚信号
↓ ↓
┌────────────┐
│ 脳 │
└────────────┘
・ChatGPT の「他者から脳へ」
┌────────────────────┐
│ メモリ │
│ 他者 (テクスト) │
│ │
│ C覚(C)│ 視覚(目)│ 聴覚(耳)│
└──────┴──────┴──────┘
↓ ↓ ↓
C覚 視覚 聴覚
デジタル配列 デジタル配列 デジタル配列
↓ ↓ ↓
┌────────────────────┐
│ Transformer 脳 │
└────────────────────┘
ChatGPT の知覚世界は,メモリである。
ChatGPT は,メモリの外に世界を持たない。
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