Up 「アイヌ交付金」は北海道経済振興交付金 作成: 2020-02-09
更新: 2020-02-09


    北海道にとって,「アイヌ交付金」は北海道経済振興交付金である。
    北海道が「アイヌ新法」成立に熱心に動いてきたのも,「アイヌ交付金」を北海道経済振興に充てようとするためである。
    「アイヌ交付金」はいまはすっかり北海道経済振興交付金の(てい)であるが,これは本来の趣旨の逸脱ではなく,本来の趣旨の達成なのである。


    北海道が交付金獲得にガツガツしているふうなのには,理由がある。
    北海道は,「北海道開発法」を準拠法とする北海道開発庁・北海道開発局の設置という特別扱いを受けてきた。
    しかし,北海道に対するこの特別扱いは,時代錯誤がはっきり見えてくるようになる。 これは,おしまいとなる。

    ここで北海道は,看板を替えるという方法で,特別扱いを続けて受けられるようになろうとする。
    ここに「アイヌ」が用いられる。
    即ち,立法では「アイヌ文化振興法,」(1997),続いて「先住民族法」(2019) を成し,これを準拠法として「アイヌ文化振興・研究推進機構」,「内閣官房アイヌ総合政策室・アイヌ政策推進会議」,「アイヌ政策推進交付金」,そして「アイヌ民族文化財団」というぐあいに,順々に看板替えを果たしてきたわけである。