保護派"アイヌ" は,「アイヌ」を売りにする "アイヌ" である。
この保護派"アイヌ" の予備軍的存在に,生活保護"アイヌ" がある。
実際,生活保護"アイヌ" は,一般生活保護の上にさらに「アイヌ特権」生活保護を求めるとき,保護派"アイヌ" に組み込まれたことにになる。
保護派"アイヌ" は,「アイヌ特権」獲得の政治行動をする──政治"アイヌ"。
彼らはこのとき,つぎを自分たちの行動の大義名分の一つにする:
一般生活保護に「アイヌ特権」生活保護を上積みすることを,どのように理由づけるか。
つぎの2通りのうちのどちらかである:
- 「アイヌの困窮は,和人の生活困窮の比ではない」
- 「アイヌには,和人生活困窮者より多くの生活保障を受ける権利がある」
aの理由づけは,明らかな嘘になる。
そこで,選ぶのは,bである。
即ち,つぎのようになる:
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萱野茂『アイヌの碑』(朝日文庫) , 朝日新聞社, 1980.
pp.193, 194
アイヌはアイヌ・モシリ、すなわち〈日本人〉が勝手に名づけた北海道を〈日本国〉へ売ったおぼえも、貸したおぼえもございません。
しかし今となって、北海道に住んでいる〈日本人〉を〈日本本土〉へ帰れと言っても、そう簡単に帰れるものでないことは承知しています。
そんな実現不可能なことをわたしは言いません。
わたしは、今このアイヌ・モシリに住んでいるわたしたちも〈日本人〉も一緒になって、このアイヌ・モシリの自然を守りたい。
今まで何かと差別されてきた先住者のわたしたちアイヌの生活の向上のために、思い切った政策を実行して欲しい。
家を不自由している人には家を建てて入れること。
向学心に燃えても家庭の経済的事情で進学できない人には国費を出してやること。
数の少ないアイヌだけでは国会議員、道会議員を選出することができないので、それを選出できる法律や条例をつくること。
アイヌ語を復活させ、アイヌ文化の大切さを教えるため、希望する地域にはアイヌ語教育をする幼稚園、小・中学校、高校、大学を設置する。
そして、これらに必要な経費は国や道が出す。
元々の地主に今まで払わなかった年貢を払うつもりで出すこと‥‥‥
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同化派"アイヌ" は,これを批判する者になる。
「自分たちは物乞いではない!」を返す。
小川隆吉『おれのウチャシクマ』, 寿郎社, 2015.
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pp.134
新法の案がまとまってから、全道六地区で説明会をやった。
俺は、二風谷、旭川、札幌に行った。
説明は事務局長の伊端宏さんが主にやった。
行った先では大変だった。
旭川では、とにかく旧土人保護法があるうちは差別は無くならない。
旧土人保護法さえ無くなればいい。
俺たちは物乞いではないとか。
こっちが、旧土人保護法に代えて次の時代をつくる法律なんだと言ったって分かってくれない。
悔しい思いをした。
旭川では、五十嵐市長の意見が強かった。
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