Up 「低劣」: 要旨 作成: 2019-02-06
更新: 2019-11-11


    学者の異文化記述は,異文化の内容が伝わらない。
    評価語を抑制するからである。
    文化相対主義を立場にしていることもあるが,今日だと評価語を即「差別・偏見」に結びつける風潮が,評価語の使用に対しひとをますます臆病にさせている。

    もっとも,アイヌのライフスタイルの論述に関しては,特段これで不自由になることはない。
    アイヌは過去の存在であり,自分の眼で見て記述するというものではないからである。
    アイヌのライフスタイルは,これをリアルタイムに書き記した文書を引くのみである。
    そしてそれらの記述は,評価語をあっけらかんと用いるもの── "アイヌ"イデオロギーに言わせれば, 「差別・偏見に凝り固まった者の言」──なので,アイヌのライフスタイルを活き活きと描けている。