和人にとって,異文化のアイヌは扱い難い労働者になる:
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串原正峯 (1793), pp.488,489
其姓質正直なるもあれとも、交易に馴れたる蝦夷は偽謀の事あり。
一躰其姓勇奸にして直ならず。
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東□元稹 (1806), p.37
元来山海獵より外に産業なく、又欲情も深からず。
偃鼠 [もぐら] の如く腹に満て飽のみ。
されば性魯鈍にて、小兒のごとし。
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東□元稹 (1806), p.38
蝦夷人の性甚だ魯にして、恩をわすれ、しかも恨をいだくに惠を以てすれば懈りすさみ、暴を以てすれば隨がはず。
是事服事せしむる事又難し。
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アイヌを労働力として使うには,手間がかかる。
この手間を面倒ないし 遅鈍と思うとき,手っ取り早いやり方として,威嚇を用いる方に進む。
経営の苦しい運上屋は,この趣きになる。
即ち,<脅しを用いて人を働かせられる者>をとり揃えるところとなる。
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高倉新一郎 (1959 ), p.171
‥‥‥ 場所請負人の出先きの者の質の悪さ ‥‥‥
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支配人と唱候ものは、漁方番人と唱候ものより成上り、番人は場所働方のものより見立られ候趣に相聞、
右等の内には無懶の博徒、帖外者と唱候類、父母親戚に疎まれ、当分糊口の為立入、追々場所馴侯に随ひ夫々頭分に相成居候者も有レ之」
(掘・村垣意見書)
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といった工合であったから、蝦夷に対する態度もひどかった。
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一般に,経営の苦しい企業は,形振り構わぬ体になる。
人使いも,このようになる。
人使いの方法は「アメとムチ」であるが,「ムチ」の方が速効的に見える。
そこで,形振り構わぬ人使いは,「ムチ」になる。
引用文献
- 串原正峯 (1793) :『夷諺俗話』
- 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻 探検・紀行・地誌 北辺篇』, 三一書房, 1969. pp.485-520.
- 東□元稹 (1806) :『東海參譚』
- 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻』(探検・紀行・地誌. 北辺篇), 三一書房, 1969. pp.23-44.
- 高倉新一郎 (1959 ) : 『蝦夷地』, 至文堂 (日本歴史新書), 1959
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