Up 4月27日 作成: 2024-12-09
更新: 2024-12-11




      『菅江真澄全集 第2巻』(未来社, 1971). p.28
    高き岡にのぼりて、磯辺近き弁天島をはじめ、遠き波間にまゆずみのすがたしたるは於胡斯離(オコシリ)(奥尻島) とて、しほぐもりてはるゞると見やられたる島は、こなたよりのふなみち廿里斗ならん。
    島のめぐり二里にたれり。
    島かげにかりやどのところどころにありて、 沖のふね行なやみ、あやまたんとせりけるほりは、此島にのがれんため、米、鍋、火うちげまでをさめけるに、
    風にはなたれ、しほにながされたるもの此島に船よせ、いかりかけて、よき泙(なぎ)日をまちて命いきていに、 よね(米)つみたらんふねは、さきのごとに、ものたくはへおけるとなん。