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6月28日
作成: 2024-12-08
更新: 2024-12-10
『菅江真澄全集 第2巻』(未来社, 1971). p.75
このほとりの山ふかく碁盤といふ処にて、
つねにやく炭竃の煙いくむすびたち、空さへくらく、赤神の烏帽子獄とやらんにて、
鷹の倉とて、かまはやぶさのすむ、その、ちひろの岩のつらより人を籠にのせてつりさげ、たかの子をとりえては、
めぬき、こつか、こがたなやうのものを、巣のうちにのこし帰る。
ゆめさることもなければ、鷲、鵰(くまたか)などにとられたるとやおもふ、こん年は、こと処にすづくる
など、馬ひきのいふ。