Up 「BSが時間によって映らない」トラブル 作成: 2024-09-12
更新: 2024-10-02


    BSには,「BSが時間によって映らない」トラブルがある。
    このトラブルのあることは,これを報告する書き込みがネットに上がっていることから,認められる。
    実は,わたしのところにもこれが起こっている。


  • 症状
    受信エラータイプは「E202」で,「受信レベル0」である:


    受信が戻ると,受信レベルはつぎのようになる。


    ということで,この受信トラブルは「ブラックアウト」タイプということになる。



  • 経過
    つぎは,経過のグラフ:
    記録は 2024-09-08 からだが,ブラックアウト現象はその前から観察されているいる。
    TV に貼り付いているわけにはいかないので,グラフの中の時間はアバウトである。


    2024年
    9月13日
    ブラックアウトが起こる頻度は,この日の前まではだいたいつぎのようであった:
    • 連続する水木金に,それぞれ 11〜18時くらいの時間帯で起こる。
    • 毎週ではなく,起こらない週もある。
    このことから,「日中の現象」かと思っていた。
    しかしこの日は,14時過ぎから映らなくなって夜まで続いた。
    よって,「日中の現象」ということではなくなった。

    9月19日 (木)
    この日から翌日まで,これまでとは違う時間帯のブラックアウトが起こった。
    (但し,このような時間帯のブラックアウトは前にもあって,それに気づかなかっただけかも知れない。)

    9月24日 (木)
    この日から28日 (土) の 17時まで,2回の3時間の回復を挟んで,長いブラックアウトが続いた。
    このままいってしまうのかと危ぶんだが,17時に回復し,そしてつぎの日曜日は1日中だいじょうぶ。

    10月1日 (火)
    14時からブラックアウトに入る。
    これを機に,TV の BSケーブルの接続と,アンテナ電源設定を変更 ( 「テストの計画・実行」)。
    しかし,ブラックアウトからの回復は無し。



  • 原因の推理

    ブラックアウトタイプであるから,「アンテナの向きあるいはかケーブルの接続が正しくない」が原因ではない
    目に見える周囲の環境には,上の経過グラフに示したブラックアウトを起こしていそうな物は,見当たらない。
    よって,いまのところ思い浮かぶ推理は:

    推理その1:「食 (eclipse)」
      「BSアンテナから見て放送衛星に食が起こっている」
    大きな食だったら全国的なブラックアウトになるから,人工衛星スケールの何かによる食ということになる。

    わたしのところでBS が映らないとき,100m弱離れた家に尋ねたところ,そこはBSが映っていた。
    食が原因だとしたら,きわめてピンポイントな食ということになる。
    そんなことはありそうもない。


    推理その2:「臨界の相転移」
    食が原因でないとしたら,原因の所在は BSアンテナから TV までの間ということになる。
    そして,「ブラックアウトと回復」のパターンがあることから,何か位相の変化の繰り返しが起こっていることになる。
    即ち,つぎのような:
     「 BS が映る状態にあるときは,ブラックアウトに向かう位相変化が起こっている。 そして臨界に至って,ブラックアウトとなる。
    ブラックアウトの状態にあるときは,回復に向かう位相変化が起こっている。 そして臨界に至って,回復となる。」

    この解釈は,「臨界の相転移」解釈である。
    先に示したように,TV のBS受信レベルはブラックアウトの「信号品質0 信号強度 0」と回復の「信号品質77 信号強度 47」の二通りであり,その中間は無い。



  • BSアンテナ電源の設定

    「臨界の相転移」になりそうなものは?
    つぎのテクストに出てくる「BSアンテナ電源」は,その一つかも。

      あさひアンテナ「BS/110度CSアンテナには電源が必要?」から引用:
    BS/CSアンテナにはなぜ電源が必要となるのか?
    ‥‥‥ 衛星放送では、静止衛星から宇宙空間を経由して地上までの遠距離を送信されるため、電波の中でも周波数帯が高く、直進的に地上まで届きやすい12GHz帯が使用される ‥‥‥
    12GHz帯の電波は、周波数帯が高すぎることから、そのまま同軸ケーブルで送信すると、ケーブル途中での減衰(電波レベルの弱まり)量が大きくなって、テレビなど受信機器の側まで正常に送信できなくなるのです。
    そのため、まずBS/CSアンテナにおいて、12GHz帯の電波をコンバーターに集めた後、コンバーター内で、テレビ電波として扱いやすいMHz帯の周波数帯に変換します。その後、同軸ケーブルにて、アンテナ配線部を経由し、住宅内のテレビ機器に設置された、BS/CSチューナーへと届けられます。
    この周波数帯の返還により、屋内のテレビなど受信機器で衛星放送を視聴できることになりますが、コンバーターは電波の周波数帯を電気的に変換する電子機器であるため、作動のためには電源が必要なのです。

    BS/CSアンテナに電源を供給する方法とは?
    ‥‥‥アンテナケーブル(同軸ケーブル)が、コンバーター側に電源を供給する役割もはたしています。‥‥‥
    ブースターが設置されていない、またはブースターからBS/CSアンテナに給電されていない場合は、テレビ、レコーダーなどの「BS・110度CS-IF入力端子」に接続されたアンテナケーブルから、BS/CSアンテナ側へと、アンテナケーブルをさかのぼる形で給電することになります。‥‥‥
    テレビなどの機器側で、BS/CSアンテナの「電源設定」を的確な内容で行う必要‥‥‥
    機器のリモコンを操作して、設定画面を表示し「アンテナ設定」「衛星放送(BS/CS)」などの項目を選んでボタンを押してゆき「電源設定」などの設定画面を選択‥‥‥
    オン(入)
    この設定では、テレビなど機器側の電源が入っている際には、常にBS/CSアンテナへと電源の供給を行うことになります。
    オート
    これはテレビなど機器側の電源が入っている場合に、機器側が自動的にBS/CSアンテナへの給電を行うことが適切であるかを判断して、給電するか否かを決定する設定です。‥‥‥
    BS/CSアンテナへの過給電を防ぐため、この設定が推奨されます。
    [過剰な給電は、ショートなどのトラブルを起こす可能性がある]
    ただ場合によってはテレビ側の自動判断がうまく機能せず、テレビ側でBS放送、CS放送のチャンネルに合わせても、BS/CSアンテナに電源が供給されないため、BS、CS放送が映らないこともございます。
    この場合は、電源設定を「オート」から「オン(入)」に変更すれば、ほとんどの場合は正常に視聴できるようになります。



    というわけで,BSアンテナ電源のいまの設定を,チェックしてみる。



  • 機器接続

    BSアンテナから TV までの機器接続は,つぎのようになっている:


    ここで,DVD (TDMR-4T203) と TV (TH-50MX900) を BSケーブルでつないているのは,DVD が電源オフであるときに,これをスルーしてTV を見られるようにするためである。

分波器 (全端子通電タイプ)



  • BSアンテナ電源の設定

    DVD(Panasonic TDMR-4T203) :
      ホーム → 設定 → 放送設定 → 放送受信設定 → 受信アンテナ設定 → 衛星



    TV(Panasonic TH-50MX900) :
      メニュー → 機器設定 → 設置設定 → 受信設定 → 衛星



    TV は,アンテナ電源の設定が「オフ」になっている。
    しかしTV は,DVD が電源オフのときも BS を受信する。

    これは,つぎを意味する:
     「 DVD は,電源オフのときもアンテナに電源を供給するようになっている」

    実際,DVD の BS出力端子に BSケーブルをつないで BS を受信する TV は,DVD の電源のオン・オフに BS の受信が依存したら困るのである。
    DVD の BS出力端子が BS信号のスルーであるためには,DVD は電源がオフのときもアンテナに電源を供給するのでなければならない:




  • テストの計画

    「BSアンテナの電源」は,ブラックアウトのグラフのパターンを説明するもののようには見えない。
    例えば,「日曜日になると嘘のようにBSが映る」というのがあるが,これに関して「BSアンテナの電源」で心当たりとなるものは,無い。

    まあそうではあるが,原因の推理における紛れを減らすという意味で,つぎのブラックアウトのときは以下のことをやって,その()の経過を追ってみることにする:

     1. TV における「アンテナ電源」の設定を, 「オン」にする
     2. BSケーブルの接続を,つぎのように改める:




  • テスト実行

    10/1(火) の 14時からブラックアウトに入ったので,上に示したテスト計画を速やかに実行。
    しかし,ブラックアウトからの回復は無し。



  • 結論

    かくして,ブラックアウトの原因はつぎに絞られたみたいである:
      「アンテナのコンバータの故障」

    ブラックアウト&回復が現象になる「臨界の相転移」は,コンバータへの電源供給に存るのではない。
    電源供給は正常である。
    「臨界の相転移」は,電源が正常に与えられているコンバータの中に存る。

    実際,いまのアンテナは 9年半経っており,「寿命」を考えてもよい頃合いである。


    かくして「BS が時間によって映らない」トラブルのソルーションは,わたしの場合,「アンテナを新品にチェンジ」のようである。

    しかしこの場合だが,いま BSアンテナは4Kアンテナにシフトしている。
    (4K放送の開始は,約6年前の 2018年12月から。)
    よって,BSアンテナを新品にチェンジすることは,4Kアンテナにすることである。
    そしてこれは,ケーブルおよび分波器も,「4K対応」に替えることを含む。


    最後に,ブラックアウトの原因が「アンテナのコンバータの故障」だとして,「日曜日は嘘のようにBSが映る」の説明はつくのか?
    これが偶然ではないとしたら,考えられることは一つ:
     「 コンバータは,週に1回リフレッシュする仕様になっている。
    コンバータはいま動作が不安定になっているが,このリフレッシュはできている。