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Dunn (2011), p.107.
たとえば、人の腸に多くいるバクテロイデス・テタイオタオミクロンという細菌は、植物素材の分解に関わる酵素を 400種以上も作りだす。
いずれも人間には生産できない酵素ばかりだ。
食べ物が限られていれば、細菌はそこから少しでも多く養分を得ようとする。
モルモットや人間の腸内にいる細菌は、宿主が自力で得られるより最大で30パーセントも多いカロリーを吸収できるようにする。
これは、今日あなたが摂る食事についてもあてはまるようだ。
あなたの腸の中に棲む細菌は、あなたが望もうが望むまいが、食べ物からより多くの栄養分とより多くのカロリーを吸収できるようにしているのだ。
‥‥‥ 腸内に細菌がいない脊椎動物は、ビタミンB群を十分に合成できず、ビタミンKにいたってはまったく合成できない。
ビタミンKは、あなたも含む脊椎動物の体内で、血液凝固作用に関わっている(ビタミンKの「K」は、ドイツ語の「Koagulations〈凝固〉」に由来する)。
人間のおとなは、食べた植物と細菌の両方からビタミンKを得て蓄積する。
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- 参考サイト
- 引用/参考文献
- Dunn, Rob (2011) : The wild life of our bodies
Harper, 2011.
野中香方子[訳]『わたしたちの体は寄生虫を欲している』, 飛鳥新社, 2013.
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