Up 中国の経済 : 要旨 作成: 2024-11-15
更新: 2024-11-15


    盛んに見えていた企業が倒産した。
    なんで?
    やっていたことが,採算の合わないことだったからである。

    中国の経済は,盛んなように見える。
    しかしそこには,虚構がある。
    中国の経済は,実は危ない。


    その1
    中国は,公共事業を大いに行うことにした。
    地方行政府がこれの担当である。
    元手は,民間 (企業,銀行,投資家) からの借金。

    しかし公共事業は,無用無駄なものをつくってしまうのが相場である。 (今は「インフラ」の言い方をするが,昔は「箱物」と言って揶揄したものである。)
    期待した経済効果にはならない。

    経済効果にならないとは,税収の増加にはならないということである。
    この結果,地方行政府はとんでもない額の負債をかかえる。
    「とんでもない額」とは,返済があり得ない額ということ。
    ここに,債務関係で連なる企業の倒産連鎖が始まる。


    その2
    中国は,工業化を<大量生産・低価格輸出>で進めた。
    しかしこのタイプの輸出は,相手国の同種産業を破壊する。
    相手国は対抗措置をとることになり,輸出は行き詰まる。
    そしてこれで,大量生産システムも倒壊。

    そのシステムは,経済のネットワークである。
    特に,債務関係のネットワークである。
    ここに,企業倒産の連鎖が始まる。


    その3
    中国は,都市化と少子高齢化が急速に進行する。
    1次産業は,もともと貧しかったが,さらに衰退の形勢になる。

    中国はこれを,1次産品の輸入で埋め合わせてきた。
    しかし輸出の行き詰まりで,この輸入も行き詰まる。
    輸出が減ることは外貨が減ることだからである。
    (人民元は貿易通貨にはなれない。)

    中国は,生活物資の不足に陥る。
    生活物資の価格が高騰する。
    余計な物を買わない」になるので,一般消費が落ち込む。
    消費減衰は,不況・貧窮化スパイラルに進む。


    その4
    中国に進出の外国企業・資本は,中国の体制と折り合いをつけることに苦労してきた上に,この度はさらに中国の経済の危うさを見ることになった。
    かくして,中国からの撤退を始める。