Up 「主食米」諸行無常 作成: 2024-09-22
更新: 2024-09-22


    気象は絶えず変化する。
    大気の中に位相差をつくる運動が生じ,その位相差を均す運動が生じる。
    この波動は,減衰しない。
    エネルギーが外から絶えず供給されるからである──特に,太陽から。

    主食米をめぐる系も,同様の波動の系である。


    いま主食米は,大農法の国──アメリカやオーストラリアなど──からの輸入が増えるステージに入ろうとしている。
    ひとは,そうなったら日本の米作はひとたまりもない,と思う。
    日本が外国に乗っ取られると思う。

    しかし大農法の国も,いまの(てい)は続かない。
    その大農法は過収穫であり,そして過収穫は土地をサバク化するからである。
    アメリカ, オーストラリア, EU はいずれもサバク化が進行している国・地域であるが,そのサバク化は過収穫による。


    過収穫/獲は,商品経済の宿命である。
    ひとは高収入を求め,そして「多く収穫/獲するほど収入が多い」なので,過収穫/獲に嵌まる。

    中国が日本産海産物輸入の再開に転じたことを,ひとは日本の正義が勝ったと思っている。
    しかしこれに続くことになるのは,日本の漁師による海産物の乱穫である。
    中国の胃袋は無尽でありから,いくら収獲しても売りさばくことができる。
    いくら収獲しても売りさばくことができるから,いくらでも収獲しようとする。
    乱獲して,海産物を減少・枯渇させる。
    そしてこれを,「温暖化」のせいにする。
    これが,商品経済というものなのである。


    商品経済は,輸出のために食料を生産する国・地域をサバク化する。
    主食米をめぐる系は,「主食米が輸入米で占められる」の位相で安定するのではない。
    この位相もまた,ひっくり返される。
    ──「盛者必衰」「諸行無常」