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宮本常一 (1981), p5.
このような祭の演出者はすべて公家 (貴族) であり、公家の生活がどういうものであったかを教えられる。
そして日本が諸神祭祀の国であり、その王朝は祭祀のために成立していた王朝であったといっていい。
この場合、民衆はその見物人として登場するのである。
そしてこのような祭を見物することによって、日常の精神生活をゆたかにすることができた。
民衆は祭の外にあったから物忌みも儀礼も必要なかったはずである。
公家たちの行列を見て笑い、野次をとばし、そのため追い払われることもある。
決してつつましい見物人ではなかった。
後世になると、民衆は見物するだけでなく、次第に祭に参加するようになって、祭そのものがにぎやかになり活気をおびてゆくのである。
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- 引用・参考文献
- 宮本常一 (1981) :『絵巻物に見る日本庶民生活誌』(中公新書 605), 中央公論社, 1981.
- 『年中行事絵巻』, 平安後期
- 参考Webサイト
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