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|  | 時事通信, 2020-08-01 | 罰則付き休業要請「あり得る」=西村再生相インタビュー
	
 西村康稔経済再生担当相は1日までに時事通信のインタビューに応じた。‥‥ 主なやりとりは次の通り。
	
 — 特措法に基づく調整で苦労した点は。 この法律は初めて使ったため、国と自治体の役割をどう当てはめるか相場がなかった。4月に東京都が検討していた休業要請は「ロックダウン」の言葉通り、幅広い業種を対象にしていたが、生活に必要な業種もあるので時間をかけて調整した。
 小池知事は「社長と思っていたら天の声が聞こえた」と言ったが、私からすれば「法律の声」だ。休業要請は私権制限を伴うことを頭に置き、執行の責任者として対応してきた。
 緊急事態宣言の発令や解除は私に説明責任がある。休業要請をどの業種に出すかは知事の権限なので、説明責任をしっかり果たしてほしい。
	
 — 特措法などの改正を検討するか。
 内閣法制局とも話している。早い方がいいものもあれば、落ち着いて議論すべきものもある。(別種の感染症が将来流行した場合にも)特措法を使える道があっていい。落ち着いて検討すべきだ。
 他方、休業命令や罰則は検討を急ぎ、改正するかどうか考えたい。
 国と自治体の関係も整理すれば、相当いろんな議論になる。今やれば余計に混乱する。各知事が適切に判断できるようにするのが私の仕事だ。
	
 — 休業要請と補償のセットは。
 実態から言えば、事実上の補償は既にやっている。持続化給付金や雇用調整助成金、地方創生臨時交付金でかなりの部分をカバーできている。(法律に明記するのは)技術的に難しいし、世界の主要国でも例がない。
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 |  | 読売新聞, 2020-04-11 | 都,政府押し切る コロナ休業要請
 国,協力金も当初難色
	
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた休業要請の対象業種を巡る調整は、東京都の小池百合子知事が政府を押し切る形で決着した。
緊急事態宣言の下での政府と地方自治体の連携は出だしから、困難さが浮き彫りになった。
	
 「権限は社長かなと思っていたら天の声が色々聞こえ、中間管理職になったような感じだ」
 小池氏は10日の記者会見で、政府を痛烈に皮肉った。
小池氏の言う「天の声」とは政府のことだ。
7日の緊急事態宣言発令に前後して、都に様々な注文を付けたことを指す。
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 自由主義の国は,憲法を以て自由主義を宣言する。
 この憲法において,ひとの生業は自由である。
 一方,個の自由は,集団の中においては制御されねばならなくなる。
 この制御を,法律で定めていく
 
 「社長」と「天」の違いは,前者は員を統率することを一番にし,後者は員を解放することを一番にするということである。
 「社長」は統制主義,マニュアル・罰則主義であり,「天」は,自由主義,個人裁量主義である。
 
 「社長」が国の長であるのが,独裁国家である。
 ──そこには,「天」が無い。
 「社長」が「天」を無きものにするのが,独裁化である。
 ──いまの香港の状況はこれである。しかし,不服従者を罰則で取り締まるというのは,東京も目指していることある。
 
 
 知事は,自分を「社長」と定める者である。
 翻って,知事になる者は,もともと「社長」体質の者である。
 統制主義,マニュアル・罰則主義の者である。
 
 統制主義,マニュアル・罰則主義の基は,「統治者は無謬」の観念である。
 そして「統治者は無謬」は,全体主義と同じである。
 ──全体主義は「統治者は無謬」を必要とし,「統治者は無謬」は全体主義を導く。
 
 特に,知事上がりで国政に進むのは,危ない。
 「社長」と「天」は,求められる資質がまったく異なるからである。
 
 
 因みに,橋本徹が維新の党の党首を辞しその後も国政に進もうとしなかったのは,自分の資質がわかったから──ということになる。
	 
 ひとは,愚か/ずっと愚かである。
 「統治者は無謬」を許すと,愚劣を正義にする全体主義になる。
 「自粛」全体主義──「自粛が正義だ!自粛不服従者には罰を!」──は,これである。
 
 法治はまどろっこしいが,まどろっこしいからといって「超法規」「緊急事態」をやれば,「新型コロナ」で見たきたように,愚劣の独裁になる。
 実際,法治は
 「政治は,ひとの愚かさを前提にするしかない
	の認識が基になっている。──賢さを期待したら,ひどいことになる」
 
 
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