Up 希薄な関係・無機的な関係を求める 作成: 2024-10-02
更新: 2024-10-02


    濃密な関係・有機的な関係は,疲れる。
    いま,濃密な関係・有機的な関係に人を縛る伝統・体制が,急速に崩壊している
    ひとはこの流れを幸いとして,濃密な関係・有機的な関係におさらばする。
    こうしていまは,ひとが希薄な関係・無機的な関係を求める時代である。

    IT の進歩は,この流れとフィードバックし合う関係になる。
    IT は,希薄な関係・無機的な関係を実現する技術だからである。
    IT の進歩は,ひとを希薄な関係・無機的な関係に導く。
    希薄な関係・無機的な関係を求める時流は,IT を進歩させる。


    テクノロジーの進歩の究極は,人間がテクノロジーに世話され,自分では何もしなくてよくなることである。
    その時代の人間は,「雑事はテクノロジーにまかせて,人間は創造的なことをする」と教えられる。」
    しかし,「AI の掌中で踊る」を超える「創造」を為す者は,いてもほんの僅かである。
    所在を無くしていく者で,いっぱいになる。

      一般に,「世話される」が生き方になる者は,所在を無くす。
      また,「創造的」の構えも,所在を無くす構えである。
      ひとは「自由」を与えられると,これを持て余すのである。


    IT が高度に発達し,希薄な関係・無機的な関係が遍く時代は,ひとが浮遊する時代である。
    その彼らの集団は,少子化で縮小する。
    「家族」は,濃密な関係・有機的な関係として,特に敬遠されるものになるからである。


    以上の流れは,ネガティブに見るものではない。
    「紐帯からの解放」の流れに他ならないからである。

    なんにせよ,テクノロジーは進歩を続ける。
    そしてひとは,これに合わせていくことしかできない。
    テクノロジーは人の生きる形を定めるのである。

    人間が主でテクノロジーが従なのではない。
    テクノロジー主で人間が従なのである。