Up 現前回帰 作成: 2015-02-19
更新: 2015-02-19


    プロジェクトは,箱物プロジェクトである。
    このように言うときの「箱物」に,悪い意味はない。
    プロジェクトは,箱物の機能性を最大限に用いるものである。
    その上で,箱物に内容が埋まれば成功,埋まらなかったら失敗,ということである。

    数学教育の場合,「改革」の箱物プロジェクトに勝算はほとんどない。
    圧倒的な多様性を相手に,「一つの方法」を立てる形になるからである。
    実際,この形になるしかない。
    そして,このプロジェクトの結果は,現前回帰である。

    なぜ,現前回帰か?
    現前は,誰かがつくったものではない。
    誰かの方法論になるものではない。
    学校数学という系の定常均衡相である。
    定常均衡は,誰かの指揮で実現したのではない。
    個々が自分の居心地のよいあり様を求め,相互作用する。
    この動態が,「定常均衡」の実現になっている。