第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年〕
1 目標
(1) 数を正の数と負の数まで拡張し,数の概念についての理解を深める。また,文字を用いることの意義及び方程式の意味を理解するとともに,数量などの関係や法則を一般的にかつ簡潔に表現し,処理できるようにする。
2 内容
A 数と式
(2) 文字を用いて関係や法則を式に表現したり式の意味をよみとったりする能力を養うとともに,文字を用いた式の計算ができるようにする。
ア 文字を用いることの意義を理解すること。
イ 文字を用いた式における乗法,除法の表し方を知ること。
ウ 簡単な一次式の加法と減法の計算ができること。
(3) 方程式について理解し,一元一次方程式を用いることができるようにする。
ア 方程式及びその中の文字や解の意味を理解すること。
イ 等式の性質を見いだし,方程式がそれに基づいて解けることを知ること。
ウ 簡単な一元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
C 数量関係
(1)
ウ 比例,反比例を表,式,グラフなどで表し,それらの特徴を理解すること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(2)のウについては,一元一次方程式を解くのに必要な程度の式の計算を取り上げるものとする。
(2) 内容の「A数と式」の(2)における式の値を求める計算については,一つの文字に代入する場合のみを取り上げるものとする。
〔第2学年〕
1 目標
(1) 文字を用いた式について,目的に応じて計算したり変形したりする能力を伸ばすとともに,連立二元一次方程式について理解し,それを用いる能力を養う。
2 内容
A 数と式
(1) 事象の中に数量の関係を見いだし,それを文字を用いて式に表現し活用する能力を伸ばすとともに,文字を用いた式の四則計算ができるようにする。
ア 簡単な整式の加法,減法及び単項式の乗法,除法の計算ができること。
イ 数量及び数量の関係をとらえるために文字式を利用できることを理解すること。
ウ 目的に応じて,簡単な式を変形できること。
(2) 連立二元一次方程式について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 二元一次方程式とその解の意味を理解すること。
イ 連立二元一次方程式とその解の意味を理解し,簡単な連立二元一次方程式を解くことができ,それを利用できること。
C 数量関係
(1)
ウ 二元一次方程式を関数を表す式とみることができること。
3 内容の取扱い
(1) 内容の「A数と式」の(2)のイについては,A=B=Cの形の連立二元一次方程式は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「C数量関係」の(1)のウについては,x=hは取り扱わないものとする。
〔第3学年〕
1 目標
(1) 数の平方根について理解し,数の概念についての理解を一層深める。また,目的に応じて計算したり式を変形したりする能力を一層伸ばすとともに,二次方程式について理解し,式を能率的に活用できるようにする。
2 内容
A 数と式
(2) 文字を用いた簡単な多項式について,式の展開や因数分解ができるようにするとともに,目的に応じて式を変形できるようにする。
ア 単項式と多項式の乗法及び多項式を単項式で割る除法の計算ができること。
イ 簡単な一次式の乗法の計算ができ,次の公式を用いる簡単な式の展開や因数分解ができること。
(3) 二次方程式について理解し,それを用いることができるようにする。
ア 二次方程式の必要性を知り,その解の意味を理解すること。
イ 簡単な二次方程式を解くことができ,それを利用できること。
3 内容の取扱い
(3) 内容の「A数と式」の(2)のイについては,公式が利用できる程度のものにとどめ,多項式を一つの文字に置き換えての因数分解は取り扱わないものとする。
(4) 内容の「A数と式」の(3)のイについては,(a,bは有理数で,実数解をもつもの)の二次方程式及び (p,qは整数で,実数解をもつもの)の二次方程式のうち内容の「A数と式」の(2)のイに示した公式を利用し因数分解を用いて解くことのできるものを取り上げることを原則とする。因数分解を用いて解くことができない二次方程式については,xの係数が偶数である簡単な例を取り上げ,平方の形に変形して解く方法があることを知ることにとどめるものとする。解の公式は取り扱わないものとする。
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