<数は量の抽象>とは,つぎの考えである:
この立場では,数の ×・÷ はつぎのようになる:
- 量の ×・÷ が,存在の事実としてある。
- 数の ×・÷ は,量の ×・÷ の抽象である。
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存在の事実が数の ×・÷ を自ずと抽象させる,存在の事実を写すとそれが数の ×・÷ になる,というわけである
<数は量の抽象>では,数の ×・÷ の立式は存在の事実である量の ×・÷ を写す行為である。
例えば,立式「2/5 × 4/3」は,量に関するつぎの事態の抽象である:
「ここに液体がある。1 dL が 2/5 kg だと,4/3 dL で何kg か?」
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また,数式「3/4 ÷ 2/3」は,量に関するつぎの事態の抽象である:
「ここに液体がある。1 dL が 2/3 kg だと,何 dL で 3/4 kg か?」
「ここに液体がある。1 dL が 何 kg だと,2/3 dL で 3/4 kg か?」
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「×・÷ の意味はなにか?」「×・÷ の用い方はなぜこのようなのか?」の問いには,「存在の事実をこの形に書き表すことにしたからだ──なにもなぜもない」と答えることになる。
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