Up 出身 作成: 2015-10-20
更新: 2015-10-20


    数学教育に入ってくる者には,それぞれのお里がある。
    そのお里として,ここで教育畑と数学畑の二つを考えてみる。
    教育出と数学出は,数学教育に対する構え方で,違いを現す。
    数学教育学に入ってくるときは,数学教育学の定位の仕方で,違いを現すことになる。

    教育出は,数学教育を「人づくり」に定める。
    数学出は,数学教育を「数学の伝授」に定める。──数学教育に「人づくり」を考えるようなことは,端からしない。

    数学教育に対する意味づけのこの違いを表現するのに,「数学を」「数学で」のことばが用いられてきた。
    「人づくり」は,「数学で育てる」である。
    「数学の伝授」は,「数学を教える」である。

    「数学で育てる」は,数学教育を「一般陶冶」(「数学的○○」) に定める。
    「数学を教える」の方は,「数学がいいものだから伝授する」を立場にしていることになる。


     まとめ
      教育出 ─「人づくり」「数学で育てる」(「数学的○○」)
      数学出 ─「数学の伝授」「数学を教える」