Up <わたし>を残す : 要旨 作成: 2019-06-27
更新: 2019-06-27


    生物は<わたし>の繁殖を自己目的化した存在である。
    生物は,繁殖行為が成るとき安定であり,成らないとき不安定である。

    人間もこれである。
    これ以上でも以下でもない。
    ただし人間は,「繁殖」の内容を拡げた。

    生物一般の「繁殖」は,「子どもをつくって<わたし>を継がせる」である。
    子どもの生物学的意味は,「<わたし>を残す」である。
    ここで人間は,<わたし>を残す仕方として,<弟子>とか<作品>という形態を開発した。

    生物において現役であるとは,繁殖ができることである。
    よって,<弟子><作品>が繁殖になるということは,<弟子>とか<作品>が成っているうちは現役だということである。
    かくして,年寄りも現役であり得ることになった。