Up | はじめに | 作成: 2010-02-27 更新: 2010-02-27 |
カリキュラムの含意は複雑系である。 これを軽率にいじれば,大学教育をひどく損なう事態を招いてしまう。 大学教育でのカリキュラムの考え方には,カリキュラムの含意が複雑系であることの押さえがある。 翻って,カリキュラムの変更・再編を簡単に言い出し,カリキュラムを軽率にいじるのは,大学教育におけるカリキュラムの考え方をよく知らないからである。 この無知が,カリキュラムを軽率にいじらせ,大学教育をおかしくする。 つぎの文は,このことを述べている:
儵與忽,時相與遇於渾沌之地。 渾沌待之甚善。 儵與忽,謀報渾沌之德, 曰 :「人皆有七竅,以視聽食息,此獨無有,嘗試鑿之。」 日鑿一竅,七日而渾沌死。 (『荘子』, 應帝王篇) そこで,大学教育における「カリキュラム」の意味を,ここで改めて論じることにした。 本編は,現時点で,2部構成になっている。 実践的な主題からということで,「カリキュラムの検討・議論」の作法を載せたのが,第1部である。 そして,この作法の逸脱の事例として「往還型カリキュラム」を付録につけたのが,第2部である。 |