Up 「法人化」で完全ゼロ免コースがつくられる 作成: 2009-07-22
更新: 2009-07-22


    「行財政改革」が打ち上げられた時代に,「行財政改革」の一環として,国立大学の「法人化」が決められた。 「行財政改革」は「市場原理主義」をイデオロギーとするものであって,「官のものは,民に変えることによって,自ずと適切なものになる」と信じられた。

    国立大学の「法人化」は,まじめな計算に拠ってではなくムードに乗ったものであり,実施できるものではない。
    そこで,教育行政は「国立大学法人」という中途半端な機関形態に落ち着かせるということをやった。 併せて,「法人化」の意味を「改革」にスライドさせた。 ──これは,「既得権益の保守」とも重なっている。

    「法人化」は,中途半端な内容のものではあるが,趣旨は「経済的自立」にある。 そして,「経済的自立」の方策はと言えば,「リストラ」が中心になる。
    「法人化」の国立大学は「課程再編」を行うが,この「課程再編」は「改革」と「リストラ」の二つの意味を含む。 しかし,力学の自然として,「リストラ回避のためのポーズが課程再編」の様相になっていく。
    ──土台が無理なものは,歪んだ形をつぎつぎと生んでいく。

    初期には,「課程再編」として,他大学との一部統合をまじめにやろうとする国立大学も現れた。
    教員養成系大学・学部の場合は,完全ゼロ免のコースづくりをやる。 これの「改革・リストラ」的意味は,「教員養成課程の規模適正化 (スリム化)」と「教員養成から切り離されたけれども自立できる課程の創出」である。