Up 等圧線──その含意 : 要旨 作成: 2023-09-09
更新: 2023-09-09


    等圧線とはどんな情報か?
    即ち,等圧線は何を読み取るものか?

    等圧線に読むもの,それは風の流れ (風速・風向) と気温である。


    (1) 風の流れ
     (1.1)  低気圧は,これが上昇気流の渦であることを示す。
    高気圧は,これが下降気流の渦であることを示す。

     (1.2)  渦の縁では,風の速度ベクトルは,垂直成分に比して水平成分が大きい。
    そして渦の中心に近づくにつれ,垂直成分が大きくなる。

     (1.3)  等圧線は,風の水平成分の方向を示す:
      風は,空気の等質な流れと見なせる。
      この「等質」には,「密度一定」が含まれる。
      気圧は,空気粒子の密度と対応する。
      「密度一定」は,即ち「等気圧」である。
      そこで,水平に流れる風の流線は,等圧線になる。
      また,大気の鉛直柱を薄く幅狭くとれば,そこを出入りする空気は等質な流れをつくっていると見なせるので,水平でない風も,流涎の水平成分は等圧線になる
      まとめて,「風の水平成分は,等圧線に添う」。
      そしてこれは,等圧線は風の水平成分の方向を示すということである。


    (2) 気温
     (2.1)  渦流が上昇流か下降流かは,それぞれ気温が相対的に低いか高いを表す:
      空気が上昇するのは開放であり,膨張して温度が低くなる。
      下降は,下は地面なので,圧縮され温度が高くなる。

     (2.2)  気圧傾度は,そのまま気温傾度である:
      上昇流の渦は,中心に向かうほど開放になり,膨張が大きくなる。
      ──これは,中心に向かうほど温度が低くなるということである。
      下降流の渦は,中心に向かうほど圧縮が大きくなる。
      ──これは,中心に向かうほど温度が高くなるということである。

     註 : 「膨張すると温度が低くなる,圧縮されると温度が高くなる」のメカニズムは,わからない。 ──「温度が低い・高い」は「粒子間で励起度の凸凹が小さい・大きい」なのだが,膨張・圧縮が「粒子間で励起度の凸凹が小さい・大きい」になるメカニズムが,わからない。