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気象衛星センター『気象衛星画像の解析と利用』, p.4.
(I)可視画像の特徴
可視画像は、雲や地表面から反射した太陽光の強弱を画像化したもので、海・陸・雲などの状態が観測できる。
反射の大きいところは明るく、小さいところは暗く画像化している。
一般に雪面や雲は反射率が大きいので明るく、地面は雲に比べ暗く、海面は反射率が小さいので最も暗く見える。
ただし、観測する場所の太陽高度によって見え方が異なるので注意が必要である。
朝夕や高緯度地方は、太陽光が斜めからあたるため入射光が少なくなり、反射量も少なく暗く見える。
(2)可視画像の利用
ア 厚い雲と薄い雲の識別
雲の反射率は、雲に含まれる雲粒・雨滴の量・密度に依存する。
一般に下層の雲は多くの雲粒や雨滴を含むので、上層の雲より明るく見える。
積乱雲のように、鉛直方向に発達した厚い雲は多くの雲粒や雨滴を含むので明るく見える。
薄い上層雲の場合は、下が透けて下層雲や陸地・海面が分かることがある。
イ 対流性と層状性の識別
雲頂表面のきめ(texture)から雲型を識別できる。
層状性の雲頂の表面は滑らかで一様であるのに対し、対流性の雲頂表面はでこぼことして不均ーである。
雲頂表面のきめは、太陽光がやや斜めからあたっている時が観察しやすい。
ウ 雲頂高度の比較
太陽光が斜めからあたる時、高さの異なる雲が共存していると、雲頂高度が高い雲から投影された影が雲頂高度の低い雲面に映ることがあるロこの影により雲の高さを比較することが出来る。
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