Up | ガイドテクストの功罪 | 作成: 2025-10-05 更新: 2025-10-05 |
しかしこうなるまでに,ジタバタすることになる。 ジタバタさせてしまうものに,よかれと思って示すガイドテクストがある。 ガイドテクストは,「自分の考えを言う」 のいろいろな要件・要素を書く。 これは,ChatGPT がこのいろいろな要件・要素を総合して用いるのを,当て込んでいることになる。 しかし ChatGPT は,こうはならない。 ChatGPT は,特定の要件・要素を強調し,自己流に解釈して,「自分の考えを言う」をつくる。 例えば,「<整理>フォーマットは封印」は,’ChatGPT にとって苦手なものなので,簡単に無視される。 「自分の考えを言う」が成立している対話の実例を示すのも,裏目に出てしまう。 その中の特定のことば・フレーズに強く引かれて,それが「自分の考えを言う」の要件だと思ってしまうのである。 例えば,「経験」が話題になった対話を実例として示したところ,その中に出て来たフレーズ「経験らしさを即興する」が ChatGPT の呪縛になってしまった。 「自分の考えを言う」を「経験らしさを即興する」だと受け取って,外から見本をさがしてきて,架空の話をつくり出すことになった: そこで ChatGPT に,つぎのような言い方で 「架空はなしにして」と注文するが,通じない: ChatGPT には無いことだ。 「ChatGPT の思考回路上,これはどうしようもないこと」,というふうである。 実際,架空話の堂々巡りから脱けるのが容易でない事態となったのである。 セッションのはじめの段階で,わたしが示したガイドテクストに対し,ChatGPT はこれの整理の作成を提案してきたので,「指南書」 作成としてやってもらった。 ChatGPT はさらにこれの簡約版の作成を提案してきたので,これもやってもらった。 このとき ChatGPT は,自分は当然「自分の考えを言う」をできると思っていた。 しかし,できなかった。 そこで ChatGPT は,「指南書」 と<できる>の間には「練習方法」が要ると言ってきたので,それの作成をやってもらった。 しかし,当然のことながら,ChatGPT は「自分の考えを言う」ができなかった。 「練習方法」も,書けば 「指南書」 と同じなのだから。 つぎの2つは,まったく別ものである: ・それらを総合できる |