Up 日本の「国の借金」, 2024年 作成: 2024-11-15
更新: 2024-11-15


歳出
(2023年度一般・特別会計歳出純計)
財務省「会計情報と PDCA サイクル (2024)」 から引用


社会保障関係費 年金,医療,介護,子ども・子育て,
失業給付,生活保護など
国債費 国の借金の利払いや返済
地方交付税交付
金等
収入の少ない地方自治体が行政サービス
を維持するための財源
財政投融資 国が行う貸付の原資
その他 防衛関係費         7.9兆円
公共事業関係費       6.5兆円
文教及び科学振興      5.5兆円
食料安定供給関係費     2.0兆円
エネルギー対策       1. 8兆円
経済協力費         0.5兆円
中小企業対策費       0.2兆円
恩給関係費         0.1兆円
その他の事項経費      7.0兆円
原油価格・物価高騰対策及び
賃上げ促進環境整備対応予費 1. 0兆円
復興加速化・福島再生予備費 0.1兆円
予備費           1. 6兆円


税収
(2024年度税収予算額)
数値は,財務省「税収に関する資料」から引用
所得税 17.9 兆円 69.6 兆円
法人税 17.0 兆円
消費税 23.8 兆円
その他税収 10.9 兆円


負債
(国債及び借入金現在高 (2024年3月末現在))
数値は,財務省「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高 (令和6年3月末現在)」から引用
内国債 普通国債 1054 兆円 1157 兆円 1297 兆円
財政投融資 95 兆円
その他 8 兆円
借入金 49兆円
政府短期証券 91兆円


負債の 対 GDP 比 国際比較
財務省「会計情報と PDCA サイクル (2024)」 から引用



    以上の数値に見るように,日本の「国の借金」は,いまは毎年 200 兆円弱ずつ増加の勢いである。
    国は,これを気にするふうではない。
    国会議員も,減税と社会保障費増額を政府に求める一方である。
    「財源」のことばは実質死語であり,いまは社会保障費増額の要求では最初から「国債で」が言い添えられる有様である。
    これはもう,「日本の体質・文化」と思うしかない。

    「国の借金」の増加が気にならないのは,「負債」の言い方をしているが,実際は負債ではないからである。
    「国の負債 1297 兆円」は,国に1297 兆円の債務があるということではない。
    その金は,借りた金ではなく造った金なので,もともと返済先が無いのである。


    他の国が日本のようでないのは,日本のやり方が気持ち悪いからである。
    日本のやり方は,常識的には,国の信用低下,その国の通貨の信用低下になる。
    それは,国の倒壊ではないか?

    しかし日本の場合,円安は着実に進行しているが,破滅的な信用低下にはなっていない。
    不思議だが,現にそうなのである。
    ポストグローバルは一国経済への回帰だが,それも日本は持ち前の「体質・文化」でうまくやれるのかも知れない。


    とはいえ,数字の上では日本は「財政破綻の国」であり,しかも断トツでここまで来た。
    しかし最近,日本と中国で「財政破綻国トップツー」の形勢になってきた。
    ただし,中国の「財政破綻」は,ほんとうに危ないと見られている。
    なぜか?
    中国の「国の負債」は,本物の負債だからである。
    即ち,民間 (企業・銀行・投資家) への負債なのである。